湿地の恵みを活用した国際協力
釧路市は、1993年にアジアで初めて釧路市で開催されたラムサール条約第5回締約国会議をきっかけに設立された「釧路国際ウェットランドセンター」の事務局を担っています。
釧路地方の4つのラムサール条約登録湿地(釧路湿原、厚岸湖・別寒辺牛湿原、霧多布湿原、阿寒湖)の⽣態系を維持しつつ、その恵みを⻑く活⽤するため、「湿地のワイズユース(賢明な利⽤)」を推進するとともに、釧路地域の取組みや成果を広く発信し、地球規模での環境保全に寄与することを目的に活動しています。
釧路での取組みを世界各国の湿地で活かしてもらうため、JICA研修を1994年から受託し、開発途上国を対象とした研修をこれまで77カ国、延べ407名に実施しました(2023年12月現在)。
現在は開発途上国のニーズに沿って、エコツーリズムなどをテーマとした研修事業を実施しています。
最近では、2023年10月12日から11月21日まで、中南米の研修員6カ国8名に対し、「湿地生態系における自然を活用した社会課題の解決(ネイチャーポジティブな社会の実現に向けて)」をテーマに実施し、研修員は釧路湿原をはじめとした北海道内各地、東北、九州の湿地を活かした生物多様性保全、防災・減災等の事例を学び、最終日には研修の成果を自国でのアクションプラン(活動計画)という形で発表しました。
JICA研修の受け入れは、世界の湿地保全の取組みを知る機会になるとともに、日本の湿地保全の歴史や取組みを広く海外へ発信する機会となっています。